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日々の雑感や詩など。
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届かない高さに恋をした
手を幾ら伸ばしても高さは僕を望んではいなかった

夢を知っているかい?
脳裏に甦る知らない記憶を運んでいくのは風

砂漠が僕を飲み込もうとしている
ありえないはずの夢の欠片に喉が渇く

果敢なく散る花びらのように
僕は恋をし、夢を見、それでも足りずにまた恋焦がれる

届かない高さ
蒼穹と名付けられた壁
巡る風
青い芝生
走れない……

なんで僕は手を伸ばしてしまうの?
届かないはずの高みに

苦しいだけなのに
苦しいだけなのに

リフレインする雨の歌声、雷のリズム
僕の周りで夢を囁く

届かない高さ
僕は空に恋焦がれる
大気を愛する

神様、もし生まれ変われるのなら
大気を攪拌し青い空を走り砂を巻き上げ雨を流す
風にして下さい
風にして下さい
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知ると言うのかお前は
私が追いかけ続けた「真実」を

――それは隠されているが故に、隠れていない

見たと言うのかお前は
私が追いかけ続けた「真実」を

――静かなる湖畔にざわめく葦のよう

何故知る、何故見た
「真実」と呼ばれる残酷なそれを

――朝露に濡れる野菊の合間に戯れる

嗚呼、私がそれを知る資格がないと言うのか
求め続け叩き続けた私には!

――茸に腰掛けた妖精達の語る物語

与えてくれ、「真実」を
もうもはやそれを尋ね続けること以外に、私に残されたものはない

――世界の一端、世界の夢、誰かの一端、誰かの夢

私の夢、私の全て、それが「真実」
教えてくれ、一人の少女の行く末を
教えてくれ、少女が産んだ妖精達の国を
教えてくれ、私が少女を愛した意味を

――真に理解など出来ない、それでも征くのが人の業ならば

『そろそろ時間よ』

引用:ハヤカワ文庫SF ポール・J・マコーリイ『フェアリイ・ランド』P114



『フェアリイ・ランド』に寄せて。
叫んでみる

言葉にならない言葉を

叫んでみる

形のない苦しさを

叫ぶ叫ぶ叫ぶ

のた打ち回って壁に体中をぶつけて血を吐くように泣きながら

僕は痛みを叫ぶ

感覚を叫ぶ

苦しいと痛いと悲しいと叫ぶ

そして灰のように眠りにつく

感情を搾り出した人間の滓となって眠りにつく


夜中に自分の叫び声で起きるというのは中々怖いものだ。どうして叫んだのかわからない場合は尚更。

 生温い風が墓地を通り抜ける。小さな影が遠き森から、遠き丘から、遠き海から集まってくる。幾十、幾百と限りなく集まってくる影の輪の中、その中央に、麗しき竜がすっくと立つ。
 人の顔と二つの竜の顔を持つ翡翠の竜は、銀の鉤爪を月の灯りに煌かせる。

 墓地に乱立する十字に組まれた石の間に影達は集まり、麗しき三頭の竜に頭を垂れる。
「三十の軍団の上に立つお方、偉大なる地獄の公爵! 」
 影達の声が不吉な風の轟きとなって人家を揺るがした。人にその声は聞き取れず、和する声は十字に組まれた石の下より響く。
「我らに命を、我らが主、我らに知恵を与えし我らが主よ! 」
 黒く濡れたような土が盛り上がり、地面の底から手が伸びる。今まさに隠されようとしている月を憎むように、手が、手が、手が。
 起き上がる者達の瞳に理性はなく、生の焔もまた然り。

 翡翠の竜が月を仰ぐ。煤のように黒い雲がその姿を遮っていく。
「死の言葉を知る方、死者の王、死霊の王! 」
「知恵を、叡智を、力を与えたまえ! 」
 麗しき竜、その瞳は滴るような毒を含み、その声は艶かしくもしわがれて響き、しかしその輝きは天使も霞むほどの……悪。

 死の饗宴が暗闇の中に始まった。
 生きている者は何人たりともその宴に参加出来ず、参加しようとすればその身は麗しき竜の支配下に下るであろう。それでも叡智を求める者は後を絶たず、麗しき竜は悪意と好意に満ちた瞳で人を堕する。

 麗しき竜よ、何故御身は我を見捨てたもう。何故御身は我を捨て置かれる。
 御身を愛することイゾルデのごとく、御身を慕うことサロメのごとく。
 我も御身の奴隷となりて、その影を、その姿を。
 たとえ、死の虜囚となろうとも。



思いつきで書いたのであまり面白みはない。

まっすぐに

ただまっすぐに

遮った障害物を倒し

その裡に飛来物を抱いて

風の人が道を走りぬける

横を見ることもなく

立ち止まることもなく

まっすぐに

ただまっすぐに
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ゆ。
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非公開
職業:
観測者
趣味:
観察
自己紹介:
いつか綺麗な言葉を作りたい。

空ろな人です。中にはたくさんの汚泥が詰まっています。
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