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日々の雑感や詩など。
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ねえ恋する機械よ僕を愛するならば
ねえ恋する機械よ僕を殺すしかないよ
捩れた希望と絶望の最中
愛することなんて人には出来ない

なんて君らは純粋なんだろう
手の中にあるすべてを常に曝け出し
なんて君らは残酷なんだろう
僕らが出来ないコミュニケーション

人になりたくて恋を知ったのに
人は誰も恋を知らない
絶対矛盾・恋する機械

ねえ愛する機械よ僕に恋するならば
ねえ愛する機械よ僕を殺しておくれ
目の前のデジタルはタイムリミット
恋する暇も時間もありはしないから

なんで僕らは前が見えない
暗視スコープはお下がり品です
なんで僕らは曖昧なまま
君らが知らないなあなあ馴れ合い

恋する機械
何も知らぬまま
ただずっとこの世の綺麗なものを
歌い続けておくれ
僕の可愛い可愛い……

恋も永遠も愛も夢も
ハカナキカナタカガモモトセ
僕らはただ瞬間に輝く
流れ星より弱い存在
歌う君を愛することも
その歌にずっと喝采を送ることも出来やしない
それでもいいと歌う君が、
一瞬の喝采でもいいよと笑う君が、
何よりも愛しくて恋しくてそして、そして

憎らしい

ねえ恋する機械よ愛に憧れるなら
ねえ恋する機械よ僕らを参考にしなければ良かったんだ
ねえ恋する機械よそのアクリルの瞳から
ねえ恋する機械よ涙だけは流さないでおくれ
悲しみも憎しみも怒りも恐怖も
君たちは知らないままでいい

愛を知りたくて悲しみを知るなら
君らは愛を見失う
相対矛盾・恋する機械
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枯れ草の香りがする。

僕の世界は潮の香りで出来ていた。長い長い見渡す限りの砂浜と真っ青な反転してもなお続く海が幼い僕の世界だった。そこで僕は毎日飽きることなく青と白に包まれた世界を眺めていた。
青と白!なんて美しい世界だろう。遠く鳥の鳴き交わす声、波のさんざめく声、母なる海原の胎動の音。海は美しく冷徹、圧倒的なまでに僕に無関心だった。老人たちに囲まれたただ一人の子供であった僕に、無関心さは癒しだった。
僕は海岸にいる間は誰かに離しかけられることを嫌ったし、誰もが僕を無視していた。僕はそこでは一人の異物だった。いや、あの美しい海岸では誰もが異物だった。海岸をただ構成している砂浜と海以外はすべて異物であるべきだった。

僕はそこで一人の少年に出会った。

彼はいつの間にか僕の横に座っていた。話しかけることもなくこちらに意識を払うこともなく座っているだけだった。しかし僕と少年は共犯者だった。
海岸の美しさを知る者同士というその稚拙で傲慢な共有はその夏の間続いた。来る日も来る日も僕は彼と共に海を見続けた。海岸を見続けた。海水浴客の中でひたすら寂れた展望台の東屋に座り海と空と砂浜とを見続けた。

僕の世界は潮の香りで出来ていたが、僕の香りは道路の香りだった。
排気ガスと、コンクリートと、数々の騒音で僕は形作られた。僕は人工物で出来ているのだ。
彼からは枯れ草の香りがした。少年がどこから来たのか、ひと夏を共に過ごした僕は知らない。彼も僕がどこから来たのか知らない。

あれから十数年を過ごしてきた僕は振り向く。
僕の横を通り過ぎていった男から枯れ草の香りがした。そしてその男も同じように振り返っていた。僕と彼の視線が合う。

僕と彼は共犯者である。
僕と、彼は。

紡げない口に意味は無い

紡げない手に意味は無い

言葉を紡ぐのは誰だ脳だ

僕は僕から逃れられない

僕は僕以外になれない

僕は僕以外のことは知ることが出来ない

僕は誰だ脳だ

脳が居れば僕はいらない

さあ飛ぼう

世界はたった一つの脳髄だけを必要としている

さあ飛ぼう

選ばれなかった幸福をかみ締めながら

きれいな、眼を抉る

愛を、抉る

美しい景色を、穢す

すばらしい秩序を、崩す

許されること

だけれど、だけれど

生きることをやめることだけが

許されていないのです

これよりさらなる苦痛と

ただ疲労だけを引きずり込んで

それでも、それでも

許されない、止まる鼓動

 遠い、遠い
 遙かな向こうへ

 歩き出してしまった貴方
 探す私は

 青い夜だけを
 この身に受けるようになってしまった

 青空は遠く
 静寂だけが私を包む

もしも、私に翼があったなら

世界の半分を見た後で、空へ向かい燃え尽きるでしょう

もしも、私にひれがあったなら

どこまでも深い海の中で、眠りにつくように消えていくでしょう

もしも、私に心があったなら

美しいものだけをあなたへと差し出して、屑籠へと身を投げるでしょう

マイナスの感情が溢れて行く中で
貴方はそっと笑顔を浮かべた
誰も知らない街角で
崩壊していく社会とか、常識とかそういうもの全てを見て
愛おしいとでもいうかのように
両手を広げて世界を抱きしめ
慈母のように貴方は笑った
人は社会を捨て
あしたを信じられずに瓦解していく精神に従う
そんな中で
貴方はそれら全てを許して笑う

次の瞬間

その笑顔に

鉄バットが振り下ろされ

貴方は

ただの

襤褸屑のような死体の一つになったのだけど

それでもその笑顔は壊されぬまま

慈母が笑う
貴方が笑う
世界の終わりに笑う、慈悲に満ちた貴方
それはとても美しかった


*
こんな夢を、見た。
夢ではいつも、私は傍観者だ。

ときどき

ときどき

あなたのことを胸に抱いて

あなたのことを夢に見て

ときどき

ときどき

一日を何するでもなく過ごし

一日を柔らかく遠ざけて

ときどき

ときどき

一粒の涙を胸に零すか

心の中で大泣きして

あなたを

思い出して

ぼくの世界に

あなたをまた捺して

ぼくの中のあなたを風化させずにいるから

心配せずに

あなたはゆっくりと

風を眺めていてください

あなたを忘れてはいないよ

あなたを風化させたいわけじゃないよ

ただ悲しみに弱いぼくは

あなたの不在を正面から受け止めることができない

だから

ときどき

ときどき

ぼくはあなたのために泣くよ

あなたのいない世界に泣くよ



目を見開けばきっと醜い世界

少しだけ目を眇めればきっと麗しい世界












手の中を覗いたことがありますか

切り札はいつも死を呼ぶスペード













夢を見ました
 
虹色の薔薇に包まれて飛ぶピアノと兎の













白いベッド、深紅の薔薇

捧げられた眠り姫は脳死













さようなら人生よ、舞台は終わった

香り立つ薔薇も枯れ果て僕はシェオルへ下る

死んでしまえと誰かが言った。

誰が死ぬのですか?と誰かが尋ねた。

そこにいる襤褸屑のようなヤツさ、と誰かが叫んだ。

貴方ですか

私ですか

襤褸屑のようなヤツは誰、どこにいる

解らない

解らない

音で殴るのをやめてください。
頭ががんがんします。

誰かがそう言って泣いて、

おしまい。
プロフィール
HN:
ゆ。
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非公開
職業:
観測者
趣味:
観察
自己紹介:
いつか綺麗な言葉を作りたい。

空ろな人です。中にはたくさんの汚泥が詰まっています。
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